和歌山が生んだ博覧強記の超人・南方熊楠

私が子供のころより尊敬している・
南方熊楠。和歌山が生んだ博覧強記の天才、博物学の巨星、柳田國男と並ぶ民俗学の父。しかしそんな美辞麗句が並ぶ中、私はあえて言いましょう。彼こそ「超童貞・最強ニート」であると。
未公開の直筆論文に狂喜乱舞
和歌山県白浜町の「
(財)南方熊楠記念館」。熊楠の貴重な遺品、研究材料、論文が展示された、熊楠ファン必見の地であります。未公開の直筆論文『女装の男巫と男装の巫女』『鬼と婚して食れた話』を目の当たりにして、ワタクシ狂喜乱舞ですよ。
記念館は真面目、でも超ド級の「珍」熊楠

ただし残念極まりないことに写真撮影禁止。また真面目な施設ですので「珍スポット」とは呼べません。しかしながら、南方熊楠自身が超ド級の「珍」なる人なんです。
子どもの頃から神童ぶりを発揮

南方熊楠は慶應3年(1867)年に和歌山市南方弥兵衛の次男として生まれました。子どもの頃からその神童ぶりは地元に轟き、8歳の時友人の家で『和漢三才図会(わかんさんさいずえ)』を読破し暗記。15歳で『本草網目』『大和本草』を書き写すという天才性を発揮。
彼の偉業の数々を見よ!

彼の操る言語はなんと19カ国語! 東京大学予備門入学し、明治19年(1886)19歳で渡米、ミシガン州立農業学校入学。2年後キューバで動植物の採取研究に没頭。明治25年(1892)にイギリスに渡り、天文学に関する論文を名門科学誌『ネイチャー』に寄稿。孫文と友好を深め、晩年の昭和4年(1926)には、恐れ多くも昭和天皇までもが、粘菌研究のためわざわざ和歌山の彼のもとへ御行幸。このすばらしい偉業の数々!
実は中卒の一般人研究者

しかし南方熊楠は高学歴ではありません。東京大学予備門もミシガン州立農業学校も中退。最終学歴は(現在の高校にあたる)中卒。職業は大学教授でも何でもなく、つまるところ無職の一般人研究者です。ま、天才熊楠にとっては学歴なんてなんの意味もないんですが。
弟や親族にお金をたかるニート

もちろん稼ぎはありません。家業の酒造業を継いだ弟や親族にお金をたかって、莫大な留学費用や研究費を出させ、家まで建ててもらっています(晩年、弟とは絶縁状態)。彼は生涯定職にはつきませんでした。現代のニートそのもの。
奇行の目立つ変人・暴力事件を起こす厄介者

植物採集の時には下半身丸出しで野山を駆け回る変人。喧嘩っ早い性格のため、アメリカ・イギリス時代に人を殴るなどの暴行事件を起こしたり、神社合祀反対運動のさなかにも騒ぎを起こして18日間も拘留されています。身内にいたらたまらないタイプ。
必殺技は自由自在なゲロ吐き

子供の頃から喧嘩では負け知らずでしたが、それは熊楠がいつでもどこでも自由自在にゲロを吐くことができたからです。形勢不利となるとゲロゲロと相手に吐瀉物を吹きかける。大英博物館で研究していた時には役人にゲロを吐くは暴行するはで博物館から出入り禁止となっています。
女好きなのに40歳まで童貞

40歳の時に友人たちの手助けによりようやく結婚したものの、その時彼は童貞でした。女嫌いどころかむしろ逆だったのですが、あまりに変人すぎて周りの女子は逃げ回っていたんですね。全くの非モテ。
ある種の天才はあらゆる方面で突出しているものです。学問的にも超天才なら、人格的にも超変人、性的には超童貞、経済的には超ニート。全ての方向で天才だった南方熊楠。天皇陛下のお墨付きなのも当然であります。(2006年10月08日訪問)【麻理】
追記
誤解のないように書きますが、私は童貞全然良いと思いますね。むしろ学生時代など若い時分にちゃらちゃら女子と遊んでいるような輩はろくなもんじゃありません。学業やスポーツ、部活動、趣味……何でもいいんですが何かに打ち込んでいる男子なら、童貞なのは当然。まともな学生時代を過ごした男子は童貞が普通と言ってもいいんじゃないでしょうか。ビバ童貞、ハラショー童貞、ウェルカム童貞ですよ。私は童貞を支持しますね。童貞よ、熊楠を見よ。
南方熊楠をもっと知るための一冊
 | 猫楠―南方熊楠の生涯 水木 しげる 角川書店 1996-10 熊楠の伝記は数あるが、天才水木しげるのマンガで再現された熊楠がもっとも素晴らしい。彼の悲喜劇とも言える生涯に胸をうたれる。ただ15禁ぐらいかも。 |
【南方熊楠記念館】南方熊楠記念館
住所 :和歌山県西牟婁郡白浜町3601-1(番所山)
電話 :0739-42-2872
時間 :09:00〜17:00
入館料:400円
休館日:毎週木曜日
駐車場:無料(30台)
関連URL:南方熊楠記念館(和歌山県白浜町)
2006年10月28日
【注】上記の情報は、記事掲載後に変更されている場合があります。お出かけの際は必ず事前に該当のスポットにお問い合わせてご確認ください。現在の情報については当ブログ管理人はお答えすることができません。万が一上記の情報に基づく不利益が発生した場合も、当ブログでの責任は負いかねます。【
珍スポット観光の注意事項】
観てきました。実はその時、併設展示されていたのが、
日本の科学者技術者展シリーズ第4回”南方熊楠”でした。
http://www.kahaku.go.jp/event/2006/10minakata/index.html
当然素通りできる訳もなく、拝見してきました。(笑)
さすがに奇行ぶりにはあまり触れられていませんでしたが、
氏のフィールド・ワークの成果ともいえる展示内容は
並みの研究者ではないことを如実に表していました。
”天才と奇人は紙一重”よくいったものですネ。
和歌山の記念館にも、いつかは伺いたいと思っています。
ただ、”陰花植物の研究”や”南方マンダラ”は、
一般人には理解され難いので、どうしても”珍”な
香りが漂ってしまうんですネ。残念...。(笑)
まだ両展覧会は開催中ですので、ご都合のつく方は
急いで行くベシ!(笑)
私がもうちょっと周りとの調和を考えなかったら、少しは熊楠に近づけたかもしれませんが...(いや〜、だいぶ距離があると思う、笑)
自由自在にゲロが吐けるというのは強いですねえ。パンチくらわせても、ゲロもらったら負けですもんねえ。(笑)
でも、まあ、記事の最後での麻理さんの「童貞讃歌」になぜか
感動しました。なんか「珍スポ百景」の支持層がより広がるのではないでしょうか。熱い、熱いよこのblog。
「化け物の文化誌展」も見に行きたいけど「南方熊楠展」ときいたらもお、うずうず体が動いてしまいます。うひょー。カルロスさんのおっしゃるとおり、お近くの方は必見ですな。
南方熊楠記念館も他の伝記もそうなのですが、奇行やお金の無心、暴力事件については、あまりおおっぴらに触れないことが多いですね。でもそういうところこそ、人間くさくて面白いのになあ。水木しげるの『猫楠』はそんな人間熊楠が感じられる作品です。
まあ、確かに奥さんは何度も実家に帰ってますし、はた迷惑な人ではあるのですが……。
モアイ像さん
おお、そう言えば。オフ会でお会いしたモアイ像さんは、きりりとしたお顔だちでなんとなく熊楠に似ていたかも?
「童貞讃歌」。うはは。もお、ぶっちゃけですよ。私は本気で「童貞がなんでいけないのかなあ」と思ってますからね。うん。
アラトゥリエルさん
いやいや、世の中にはこんなのもありますからね(某掲示板にもこのAAがよく貼られてますね)。マンセーぐらいでとんとんですよ。
http://2chart.fc2web.com/2chart/kimo.html
『40歳の童貞男』、TSUTAYAさんにあるかな。借りるときやや躊躇するかもしれません。
ニートがいま社会問題となっていますね。でもこれだけの数ニートがいるなら、その中に熊楠的な人がいる可能性もなきにしもあらず……かな。
現代の碩学 荒俣宏氏と故澁澤龍彦氏を
重ねても、まだおいつかないような怪物で。
それから蛇足ながら、角川文庫版猫楠と並ぶ
「奇想天外の巨人 南方熊楠」平凡社
こちらが写真多数のビジュアルブックなので
あまりご存知ない方にはおすすめかもです。
しかし、自費で13年も外国を飛び回って研究に没頭してたなんて、すごく贅沢。はっきり言って嫉妬。今の世の中、学位を取っても仕事がなくて(ようするに基礎研究の予算が少なすぎて)研究職に就けない人がゴマンといるのに。やはり明治という時代に依るところが大きかったのでしょう。
本当に型破りな人ですよね。日本国内だけでなく、世界レベルでの偉人・奇人だと思います。
資料のご紹介、とてもありがたいです。この本はまだ読んだことがないので探して見てみますね!
くろこさん
うらやましいですよね。ホント(^_^;) 論文の が載った『ネイチャー』も、この記念館に展示してありました。
以前、ある富豪が宇宙旅行をしましたね。旅費は25億円ぐらいだったかな。当時の物価を考えると、熊楠が弟・常楠から引き出したお金は宇宙旅行の旅費に相当すると思います。
そう考えると、彼自身もスゴイのですが、明治時代の「洋行帰り」は現代の「宇宙旅行者」と同じぐらいの価値を持つ肩書きであったのでは。世間の注目度も高かったと思われます。
熊楠は才能だけでなくずば抜けた運の良さもあったのでしょうね。ただ、長男の発狂など苦しみも多い人生だったとは思いますが。
書くと思い立ったら夜っぴて気が済むまで書き倒し、その分量でぱんぱんになった封筒を相手に送りつける。
送られた方はたまりませんぞ!
集めた菌類などの標本(まあ、とにかく面白いと感じたものは手当たり次第に何でも集めていたような‥‥)も膨大な数で、にもかかわらずきちんと整理されていたのではなかったかな。
博物学の基本は「何でも集める」にあると思うのですが、それを体現したかのような集めっぷりに感嘆します。
言ってみれば「超オタク」ですよね。
オタク恐るべし。
天才は奇行に走ることが往々にしてありますが、何せ天才です。わたしたち凡人のもっともらしい常識なんぞ遥か飛び抜けたところで生きていたのでしょうねぇ。
でもね。げろ吐きは嫌だな。
書くということに全く抵抗がない方なんですよね。日本一の長さの履歴書なんてものも展示されてました。今生きていたら、猛烈な早さでタイピングしたりして。
本当におっしゃる通り、超オタクです。オタクの元祖と言ってもいいかもしれません。
私もゲロ吐きはやだなあ。奥さん苦労したでしょうね。
これに行って来ました!
そこに展示されているのは・・・熊楠の脳。
若干赤く、左右が凄く非対称!!
OHー!
天才ノ脳ハチガイマスネー!!
と眺めていること数分。
学芸員らしき人がやってきて言いました。
「この脳は血抜きが足りないから赤いのです」
「左右のバランスは作業中に落っことして崩れちゃったのです」
だと。
まったくヒドイ話です。
熊楠の脳! やっぱり天才だけあって普通と違う
……と思いきや、なんかさんざんな扱い受けてますね。血抜き不足に落下。カワイソ。興味本位ですが見てみたいなあ。
「化け物の文化誌展」も面白かったですけど、「南方熊楠」も育ち方から活動、業績までいろいろ知れて良かったです。
昭和天皇に献上した森永キャラメルの箱なども展示してあって、この記事を読んだ後だったので(あ〜、これかぁ〜!)となつかしく思いましたよ。
熊楠の自筆の資料がたくさんあったのがリアルで良かったです。
珍スポット的だったのは熊楠の書斎が再現されていたところにあった人形。顔が真黒で、正直気がついた時に焦ったですよ。(笑)
行動力ありますねー。そのフットワークの軽さを見習いたいです。
キャラメルの箱、ありましたか。ううう。ますます行ってみたくなります。それにちょっと珍のテイストも入ってるみたいで興味津々。
レポートありがとうございました!
TBさせていただこうとしたんですが、
失敗したかな?
あまりのレポートに感激して、
リンクさせていただきました!
ほんと、個性的でおもしろい人だったんですね。
地元だけど、あんまり知りませんでした。
(思わず水木さんの漫画まで買ってしまいました)
いらっしゃいませ! トラックバックありがとうございます。※ごめんなさい。なぜか文字化けしてしまいました。
meshiさんの地元は和歌山なんですね。和歌山は面白いスポットが満載でした。豊かな自然に興味深い歴史。また行ってみたくなる場所です。
「めし日記」を拝見しましたが、すばらしい写真の腕前にうなりました。特に食べ物は美味しそうで目が輝きましたヨ。みなさん、meshiさんのブログへGO!